この映画知ってますか? 4
2001年宇宙の旅
同じくキューブリックが企画し、スピルバーグが監督した『A.I.』にも、本作と通底する色があります。
人工知能と感情という問題を通し、人を人たらしめるものはなにかと問う『A.1.』のテーマは、本作における人工知能ハルの苦悩と反乱を想起させるが、それ以上に重なって見えるのは全編に漂う虚無感だ。
愛を乞い続けて数千年の時を旅する少年ロボットは、人知を超えた存在を求めて宇宙の彼方に吸い寄せられる本作の宇宙飛行士にぴたりと重なる。
どちらも旅の終わりに目的を果たすのだが、それは安易なハツピーエンドではなく、救いと呼べるのかも判然としない。
キューブリックとスピルバーグ、ベクトルは違っても間違いなく天才と呼べる二人が、それゆえに抱え込んだ苦悩、欝屈をさらけ出し、彼らにしか理解し得ない救済を描いてみせた。
それが二つの作品に共通する「色」だった。
SFを作るのではなく、SFを利用する。
21世紀が生活の一部になった今、マニア受けする科学考証やガジェットは意味を持たず、人間性と作家性だけがSFを救ってゆくのかもしれない。